福嶋裕子(臨床心理士・公認心理師)




精神科クリニックに約30年間勤務し、
パニック障害、適応障害、うつ病、
パーソナリティ障害、統合失調症、発達障害など
様々な病気・病態の方との
カウンセリング、心理検査を行ってきました。

年齢層は、
中高大学生から
会社勤めの方や主婦などミドルシニアの方
が中心でしたが、
小学生や高齢者の方の問題にも
対応してきた経験があります。

近年は、教育現場でのカウンセリングを行い、
不登校などの問題、思春期の問題、
などにも対処しています。

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現代社会では
効率を求めることや
単純でわかりやすいものであることが
よしとされる風潮が強いように感じています。

それはそれでよいところもあると思いますが、
心に関してはどうでしょうか?

心はノイズにあふれ、形として捉えがたく、
単純明快な解答を導き出せないことが
しばしばあると思います。

こういった「心」について
時間をかけてじっくり向き合うことが
必要であったり、
意味があると思っています。
世の中の流れと
逆行しているかのようではありますが。

「時間をかけて」というのは、
長期的に継続する、ということでもありますし、
会う間隔をあまりあけすぎず、インテンシブに会う、
ということでもあります。

開室した大きな理由の一つは、
「時間をかけて向き合う」ことをより可能にするため、
でもあります。

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カウンセリングで語られるのは
非常にプライベートな話です。
今まで決して他人に語ることのなかった話、
あるいは自分でも触れないようにしていた自分自身について、
などです。

その「超」プライベートな話を他人に語ること自体、
またそれを他人から「理解された」実感を得ることは、
語った人にとってとても意味のあることと思います。

しかしそれだけではなく
普段語られることがほとんどないプライベートな話には
「生きづらさ」「長年続いているしんどさ」
が含まれることがしばしばです。

その「生きづらさ」に触れ、
その対処を考えていくことは簡単なことではありません。

しかし自分を語り、
カウンセラーとの対話を重ねる中で、
自分の心の中のあまり触れたことのない部分により触れたり、
思いもかけない気持ちや考えに出会ったり、
ということが起きます。


そして
それらの体験を繰り返すことが
自分を見つめることであり、
そこから安定感がもたらされたり、
変化を実感することにつながる、
と考えています。
そういう方向性を求めている人に
お役に立てるのではないかと思っています。

カウンセリングは精神分析的な考えに基づき行っています。
それは私自身が、精神分析的な考え方に親和性を感じていることと、
役に立つと思っていること、によります。

それは、
精神分析的な考えが唯一の方法であると思っている、
ということではありません。
その人にあう方法を選ぶべきと考えています。
しかしどんな方であっても
最初のアセスメントで
精神分析的な考えに基づきアセスメントすることで、
その後の方向性を見定めることができると考えています。

また、「カウンセリング」という言葉は
広く普及してきていますが、
実際にはどういう治療法なのか、
どういう人や場合に向くのか、
ということが一般の方にはまだ不明確であるのが
現状ではないかと思います。

カウンセリングに来る方々の悩みや症状も、
またそれらのレベルも様々であること、
その方々がおかれている状況も、
使える時間やエネルギーも様々であること、
なども今までの経験から実感しています。

したがって、
来室にした方に対して、
カウンセリングとはどういうものなのか、
どのようなカウンセリングが考えうるのか、
などを提示することでも
お役に立てるのではないか、と思っています。

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学習院大学大学院人文科学研究科
臨床心理学専攻 博士前期課程修了

所属学会/日本心理臨床学会・日本精神分析学会