カウンセリングってどんなことをするんですか?

ストレスや心配事は人生につきものです。
失敗や喪失、思いもかけないトラブル、などにより
さまざまなレベルでの痛み、不安、
恐怖感、無力感、絶望感を
体験することがあります。

時間の流れや自分の努力によって
それらが解決、解消されることもあるでしょう。
しかし場合によっては
個人で解決することや
友人や家族に相談することでの解決が
困難な場合があります。

それらを「話す」ことで、
「心の問題を解決すること」や
「自分についての気づきを得ること」が
カウンセリングです。

実際には、
カウンセラーと1対1で話すことが
基本となります。

「カウンセリングを受けようと思ったきっかけ」
などから話が始まり、
それに関連する気持ちや考え、
などの話になっていくことが多い、
と思います。

カウンセラーは、
「常識的な価値判断で物事をとらえる」よりも
「来室した人自身の気持ちや考えを重視する」

「問題の理解だけでなく、
来室した人自身が気づいていない
心の奥の部分についても理解しようする」
というスタンスでいることが多い、
と思います。

このようなスタンスからの
カウンセラーの理解を伝えて、
さらに話は展開していきます。
それにより解決や気づきに近づいていく
と考えています。

また
「生育歴」も重視しますが、
それは
「今までの人間関係や環境」がどのようなもので、
その人自身の気持ちや考えが
「その中でどのように作られてきた」か、
を重視しているためです。

「心の問題」の場合、
そのような観点から見ることにより、
より理解が深まる、という
という考えています。
→あわせて読む「継続カウンセリング」

友人や家族に相談するのと違うのですか?

困った時に友人や家族に話し、
理解されてほっとする、
問題が解決する、ということも
よくあると思います。

話すことにより、
「発散」「問題の整理」「違う視点を得る」
などができるためではないかと思います。

そしてこれらはカウンセリングにも
共通していると思います。

しかしカウンセリングの場合、

「第3者に話すこと」
「カウンセラーに専門的な知識があること」
「その人の気持ちや考えを重視すること」

が違う点ではないかと思います。

「第3者に話すこと」とは、
利害関係もなく
ある程度中立な立場の人に話す、
ということです。

話す人にとって
「公平に聞いてもらえる」
「安心して話せる」ということにつながる、
と思います。

また、
「こんな話をしたら聞いた人に負担になってしまいそう」
「非常にデリケートな話で人に気軽に言うのはためらう」
ということもよくあると思います。

第3者に話すことのメリットは、
この辺りにもあると思います。

「カウンセラーに専門的な知識があること」
についてですが

心の問題に関することは、
「これで正しいのかよくわからない」
「どうしたらいいのかよくわからない」
ということが起こりやすい、と思います。

専門的な知識や経験に基づいた
より適切な判断、ふさわしい援助を
受けた方がベターと思います。

「その人の気持ちや考えを重視すること」については、

その人の気持ちや考え、
つまりは、
その人にとってのリアリティを重視するので、
「常識的判断から自由になりやすい」
と思います。

「心の奥底の本音」を話すことを
カウンセラーは促しますし、
来室した人も
「心の奥底の本音」を
日常的な場面よりも話しやすい、
と思います。

それにより、
普段外には出せないような
プライベートな自分の部分に
触れたり、考えたりすることができる、
と思います。

また上記以外にも
カウンセリングという形をとることで、
「今まで積み残しにしていたことを
じっくり考える機会を得る」
「自分自身の時間を持つ」
となることもあると思います。

このことも
友人や家族に話すこととは違う点
とも言えるのではないでしょうか。

どのくらいの期間続けるのですか?どのくらいの間隔で受けるのですか?

【期間について】
数回くらいで終わる人、
あるいは年単位で続ける人と、
これは人によって様々です。

また
最初に「終わり」は決めないで
カウンセリングを開始することがほとんどです。

そして一般的には
「問題が一段落ついた」時や
「そろそろやめても大丈夫という気持ちが出てきた」時、
「様々な事情で継続が難しくなった
(仕事、転居、など)」時などに
カウンセリングを終わりにするかどうかを
話し合って決めています。

カウンセラーの側から見て、
今は終わるタイミングではないように思える場合は、
そのことを伝え、話し合うこともあります。

しかし、基本的には
受けている人の意志が最優先です。
いつでもやめることができますので、
ご安心ください。

【間隔について】
週1回、2週に1回、など
これも人によって様々です。

週に2回、3回受ける方もいます。

どのくらいの間隔がいいか、
どのくらいの間隔のカウンセリングをイメージしているか、
をお聞きし、
またカウンセラーの側から見て
このくらいの間隔がベターではないか、
ということをお伝えし、
その上で話し合って決めています。

また
間隔は定期的にすることに意味がある、
と考えています。

例えば「1週間に1回」と決めて、
毎週定期的に会う、ということです。

定期的にすることにより、
安定感や安心感につながることが多い、
ことがその理由の一つです。

また、
「話したい時だけ話す」というのではなく、
「すごく話したい時も、
あまりそうではない時も定期的に会う」こと、
により、
思いがけない気持ちや考えが
出てくることがあります。

そのことを話したり、一緒に考えることで
ヒントが得られることがある、
と考えています。
これが「定期的に会うこと」をベターとする
2つめの理由です。

カウンセリングを受けるべきかをどう判断したらいいか?

基本的には、自分で決めることが重要だと思います。

実際には
「受ける」ことを自分で決めて来る、
という方ばかりではないように思います。

周囲にすすめられて来る方もいます。
つまり
「周囲に勧められて
受けた方がいいかなと思った」という方も、
「周囲に勧められて
よくわからないけど来てみた」という方も
いるように思います。

これらの場合でもあっても、
つまりきっかけは周囲からの働きかけであったとしても、
何回か受けてみて、
「受けるべきだ」という
自分の判断を得て継続していく、
ということもよくあると思います。

したがって
来室の時点ではっきり決断できていなくても、
何回か会って、
話している間に決めていくという形でもよいと思います。

迷っている、決められない、という気持ちなども率直に話し、
受けるべきかどうかを決めることを
カウンセリングの1つの目標にする、ということも
実際にあることと思います。

逆にそういった気持ちを率直に話せること自体が、
カウンセリング的といえるかもしれません。

カウンセラーをどうやって探すか、どう選ぶか?

探し方は、
紹介(通院している病院などから)、
あるいは
自分で探す(ホームページなどで)、
が一般的と思います。

そして
「選ぶ」とは、
「このカウンセラーに信頼して任せることができるか」
ということであり、
どの基準で判断したらいいのか、
とてもむずかしいところです。

カウンセラーの考え方が
納得いくものであるかどうか、
カウンセラーの経験がどのくらいか、
なども、
判断基準の一つになります。

しかし例えば、
経験の浅いカウンセラーであっても
会ってみてとても助けになった、
ということも
めずらしいことではありません。

したがって
経験年数だけから判断する、
ということが
必ずしも正解ではない場合がある、
とも言えるでしょう。

おそらく
絶対的な判断基準が
必ずしもあるわけではなく、
会って話してみて、
第1印象のような「直観的な印象」と
何回か会っていくうちに得られる「印象」とで
決めていくことになるのではないでしょうか。

この「印象」とは、
「相性」に近いものかもしれません。
「なんか、いいような気がする・・」というような。

・・・とここまで書いて、
「印象」だけで
何も基準を示さないものどうかと思うので
私見ではありますが・・・

「専門用語をたくさん使う人は避ける」
「会って話してみて「伝わった」という感覚が持てるか」
「わからないことやむずかしいことに対して
どれだけ誠実に対応してくれるか」
あたりを基準にするかな・・・・と思います。

心理検査ってどんなことをするんですか?

心理検査の目的は
「自分の心の状態を理解すること」。

心の状態というのは、
「心のクセや傾向」
「能力的な得意・不得意」
などです。

心理検査を受けると、
後日その結果の説明があることが多いと思います。

今自分がどんな精神状態にあるか
(ストレス過多になっている、
おちこみが強まっている、
不安でいっぱいになっている、など)、
どんなことが得意でどんなことが苦手か、

などの説明があります。

そして
「それらが今のストレスとどうつながっているか」
などを話し合うことで、

「自分が今どんな状態にあるのかを発見する、
あるいは「あらためて再確認する」
ことができます。

しかし心理検査はあくまでも
自分の理解のための道具の一つです。
「なにもかもがわかる」というものではなく、
「理解するための手助け」
という位置づけのものです。

【心理検査の種類】
心理検査にはさまざまな種類があります。

大きくわけると
「パーソナリティを見る検査」と
「知的能力や認知能力を見る検査」
とにわけることができます。

「パーソナリティを見る検査」は、
「あなたはどんな人ですか?」
という問いに対する答えが出て来る検査です。

具体的には例えば、
「自分自身や周囲の人をどうとらえているのか」
「不安な時にどんな対処をしようとするのか」
などです。

そして
「自分でもすでに気づいていること」
だけではなく、
「自分では気づきにくい」
「今まで気づいていなかった」などの
自分の深層の部分
が見えてくることがあります。

「知的能力や認知能力を見る検査」では、
知的能力(IQ)や
認知能力
(視覚的情報や聴覚的情報が
適切にインプットされているか、
記憶する力はどのくらいか、など)
を見ます。

これらの能力は、
現実への対処能力とも関連してきます。

また
発達障害の診断には欠かせない検査です。
(当相談室ではやっておりません、残念ながら・・)

心理検査は実際には、
1つの心理検査のみでなく
何種類かの心理検査を同時に行い、
それらを総合して結果を出すことが多いです。

複数の検査をすることで、
その人について出てくる情報量も増えます。

またそれぞれの心理検査は
焦点を当てる面が少しずつ違います。
より多い情報、
様々な角度からの情報を総合することで
より多角的、立体的に
その人の姿をとらえることができます。

【検査を受けた人の感想は・・・】
検査に時間もかかるので、
「疲れた」という感想を持つ方もいますが、
「自分自身に興味がある」という方は
楽しんで受けられる方もいるように思います。

「検査を受けて、結果を聞いて終わり」
ということにならないように、
検査の結果を
自分のためにうまく活用できることが重要、
と考えています。

つまり
「具体的に自分の困っていることとつながる」
「具体的な対応がイメージできる」
といいと考えています。
→あわせて読む「心理検査料金」