心理検査ってどんなことをするんですか?

記事の要点

  • 心理検査は
    「自分の心の状態や傾向、能力を理解する」
    ための道具
  • 「パーソナリティ検査」で
    性格や行動パターンを知り、
    「知能検査」で
    認知能力や得意・不得意を把握する
  • 複数の検査を組み合わせることで、
    より多角的・立体的に自分を理解できる
  • 結果は説明を聞くだけでなく、
    カウンセラーと一緒に考えることで、
    自分の状態とストレスの関連性を発見できる
  • 心理検査は
    「すべてがわかる」ものではなく、
    あくまで自己理解の手助けの一つ

心理検査でわかること

心理検査の目的は、
「自分の心の状態を理解すること」です。

ここでいう「心の状態」とは、

  • 心のクセや傾向
  • 能力的な得意・不得意
    などを指します。

検査を受けると、
後日その結果についての説明(フィードバック)が
あります。
その際には、

  • 今どんな精神状態にあるのか
    (ストレス、気分の落ち込み、不安など)
  • どんなことが得意で、どんなことが苦手なのか
    といった点が説明されます。

また、結果を「聞くだけ」で終わりではなく、
「その状態が今のストレスや生きづらさと
どう関係しているのか」
を一緒に考える時間を持ちます。

そのプロセスの中で、
「自分の今の状態をあらためて理解する」
「これまで気づかなかった自分を発見する」
といった気づきが得られることもあります。

ただし心理検査は、
あくまで自分を理解するための道具のひとつです。
すべてがわかるものではなく、
理解を深めるための手助けとして位置づけられます。


心理検査の種類

心理検査にはさまざまな種類がありますが、
大きく分けると次の2つのタイプがあります。

  1. パーソナリティを見る検査(人格検査)
  2. 知的能力や認知能力を見る検査(知能検査)

1. パーソナリティを見る検査

これは「あなたはどんな人ですか?」という問いに
心の動き方や感じ方の面から答える検査です。

たとえば、

  • 自分や他者をどのように見ているか
  • 不安を感じたとき、
    どんなふうに対処しようとするか
    といった傾向がわかります。

このタイプの検査では、
自分でも気づいている部分だけでなく、
気づきにくい深層の部分
浮かび上がることもあります。


2. 知的能力や認知能力を見る検査

これは、IQ(知能指数)や
認知的な力を測定するものです。
具体的には、

  • 見た情報や聞いた情報を
    どのように理解・記憶しているか
  • 問題をどのように考えて解くか
    といった点を見ていきます。

これらの能力は、
日常生活での現実的な対処力とも関係しています。
また、発達障害の診断を行う際にも
欠かせない検査です。


組み合わせて行うこともあります

実際には、1種類だけでなく、
複数の心理検査を組み合わせて行うことが多いです。

それぞれの検査には焦点の当て方に違いがあり、
複数の検査を行うことで、
より多角的・立体的に
その人の姿を理解することができます。


まとめ

心理検査は、
「自分の今の状態を理解し、
よりよく生きるための手がかりを得る」
ためのものです。
結果をどう受け止め、どう活かしていくかを
カウンセラーと一緒に考えることが、
心理検査の大切なプロセスです。

この記事を書いた人

福嶋裕子 臨床心理士・公認心理師(高円寺心理相談室アオイトリ)