発達障害とは(3)

(2)ADHDとは

(a)不注意
(b)多動性/衝動性
の問題がみられることが特徴です。

(a)「不注意」の問題とは

  • 勉強や仕事などでケアレスミスをすることが多い
  • 課題や活動で注意を集中し続けることがむずかしい
    (あきてしまう、気が散ってしまう)
  • 人の話を聞きもらす、聞き間違いをする
    (電話の取り次ぎが苦手、という形をとることもある)
  • 興味あることには集中しすぎてしまい切り替えがむずかしい
  • 「話を聞いていないように見える」と言われることがよくある
  • 約束や期日、やらなければならないことを
    うっかり忘れてしまう
  • 課題を締め切りまでに終わらせることができない
    (始めることを先送りして結果的に間に合わない)
  • 片付けが苦手
  • 優先順位をつけるのが苦手
  • 必要なものをなくす
    (財布、など重要なものであることも多い)
  • 忘れ物が多い
  • 音に過敏
  • 外からの刺激で注意散漫となりやすい
  • 遅刻が多い
    (時間の見積もりが弱い、準備の優先順位が
    わからなくなる、時間や場所を間違える、
    移動中にほかのことに気をとられる)
  • マルチタスクが苦手

・・・などです。

(b)「多動性/衝動性」の問題とは

  • おちついて座っていることがむずかしい
    (離席してしまう、歩き回ってしまう)
  • 不適切な状況で走り回ったりよじ登ったりする
  • 遊びにおとなしく参加することがむずかしい
  • 駆り立てられるように行動する
  • 過度におしゃべりする、おしゃべりがとまらない
  • 相手の質問が終わる前にさえぎって答え始めてしまう
  • 順番待ちが苦手
  • 忙しくしている人の邪魔したり、さえぎる
  • 体のどこかを絶えず動かしている
  • 新しいものの刺激に引かれ、興味関心が移りやすい傾向がある
    (瞬間的な高揚感にはまりがち、依存症に陥りやすい)
  • 思いつきで行動することが多い
    (衝動買いなど結果を考えないで行動する、
    危険な行動をする、話があちこちに飛ぶ)

・・・などです。

(a)と(b)のどちらか一方のみ見られることもありますし、
(a)と(b)の両方が同時に見られる場合もあります。

これらの(a)と(b)が
「12歳までにみられること」
「複数の場面で見られること」
(家でだけ、学校でだけ、ということではなく)、
が診断には必要になります。

加えて、
「他の精神障害で説明できないこと」、
「学業、社会、職業機能を損ねていること」、
などを合わせて診断されます。

大人の場合は子どもの場合と違って、
「じっとしていられない」などの行動は
目立たなくなることが多いと思います。

しかし体の動きの多動は減っても、
「思ったことをすぐに口に出してしまう」
「思いつくままにあまり考えないで行動してしまう」
「おしゃべりが止まらない」
などの形で現れることがあると思います。

また
「夜型の傾向が強い」「昼夜逆転しやすい」
などの訴えもよく聞かれるように
個人的には思います。
(つづく)

この記事を書いた人

福嶋裕子 臨床心理士・公認心理師(高円寺心理相談室アオイトリ)