発達障害とは(4)

記事の要点

  • 発達障害の診断は医師が行い、
    問診と心理検査を組み合わせて
    総合的に判断する
  • 問診では現在の様子や
    子どものころの発達歴を確認する
  • 心理検査では、
    認知能力のばらつきや
    得意・不得意の特徴を把握する
  • 症状の出方には個人差があり、
    環境によっても変わるため、
    診断に時間をかけることがある
  • 発達障害は
    「理解と適切な対応」があってこそ
    活かされる個性であり、
    正確な診断が支援の第一歩となる

発達障害の診断は、医師が行います。
まず問診で、
現在の生活の様子や、
子どものころの様子(生育歴)などを
たずねます。
これは、発達の特徴が
いつごろから見られていたのかを
確認するためです。

あわせて、心理検査を行うことが多いです。
心理検査では、
記憶力・理解力・注意の向け方など、
得意なところと苦手なところの差(ばらつき)を
調べます。
こうした情報を総合して、診断が行われます。

ただし、
白黒をはっきりつけるように
診断を下すのが難しい場合もあります。
それは、環境によって症状の現れ方が異なったり、
人によって特徴の出方が
大きく違ったりするからです。
そのため、診断までに少し時間をかけて、
何回か診察を重ねて様子を見ることも
よくあります。

発達障害は
「個性」といわれることもあります。
ただし、それは「理解」や「適切な対応」が
あってこそ活かされる個性です。
そのままにしておいて自然に落ち着く、
というものではありません。

適切な支援や対応につなげるためには、
より正確な診断
――つまり、現在の困りごとや得意なことを理解すること――
が欠かせません。

この記事を書いた人

福嶋裕子 臨床心理士・公認心理師(高円寺心理相談室アオイトリ)