発達障害とは(1)

発達のでこぼこ(アンバランスさ)があり、
そのために日常生活での何らかの支障が生じている状態
のことをいいます。

「発達のでこぼこ(アンバランスさ)」とは、
脳機能発達の遅れや偏りがあることです。
またこの「発達のでこぼこ(アンバランスさ)」は
生得的である場合がほとんどである、と考えられています。

「日常生活での何らかの支障」というのは、例えば・・・

忘れ物が多い
うっかりミスが多い
人とコミュニケーションがうまくいかない
仕事や家事の段取りが悪い
大事なものをなくす
・・・などなどです。

これらの「支障」は、ごく当たり前のこと、
誰にでもあること、のように聞こえるかもしれません。

しかしながら、
その支障が起こる回数が並外れて多かったり、
その支障のレベルが想定外であることが多い、
といえると思います。

そしてその「支障」が「並外れた」ものだったり、
「想定外の」レベルであるために、
「周囲に怒られることが(かなり)多くなる」
「周囲に悪印象を与えてしまう」
などが起こりやすいといえます。

また周囲からすると、
「並外れた」「想定外の」支障に対して
「???」という印象を持つことが多い、
ともいえると思います。

つまり一般的な「支障」の範囲にとどまらないもの、
ということになります。

また「発達のでこぼこ(アンバランスさ)」や
そのために生じる「支障」は
子ども時代からある、ということも診断には必要です。

例えばうっかりミスも、
最近にはじまった、という場合は
発達障害以外の可能性も考えるべき、
となります。

しかしながら、これらが
小さい頃からあったかどうかに関しては、
「小さい頃からよくあったし、悩まされてきた」
という方だけでなく、
「よくおぼえてない・・・」
「小さい頃はそんなになかったように思う・・・」
「全然そんなことはなかった」
と言う方もいらっしゃいます。

そのあたりをどう判断していくかは、
一筋縄ではいかずむずかしいところです。
子ども時代のそういった体験がないから診断がつかない、
ともいえませんし、
子ども時代のそういった体験のみからだけ診断がつく、
とも言い切れません。

このため診断や判断に時間を要するということも
よくあることです。
慎重は判断のためには
その方がベターと思います。

場合によっては、
面接を繰り返して話している間に、
「よくよく考えるとあったかも・・・」
「そういえば思い出したけど・・・」
ということも、よくあることで、
そうすると診断が確たるものになる、
あるいは、
その人自身の理解が進むことに
つながると思います。

さて、発達障害にはいくつかありますが、
代表的なものとしては
「自閉スペクトラム症」
「ADHD」があげられます。
(つづく)