友人や家族に相談するのと違うのですか?
記事の要点
- 友人や家族に話すことで
安心感や整理を得られることもあるが、
カウンセリングにはそれとは異なる特徴がある - 第3者に話すこと:利害関係がなく
中立な立場のカウンセラーに話すことで、
公平に聞いてもらえ、安心して話せる - 専門的な知識があること:
心理的問題への理解や適切な対応が可能 - その人の気持ちや考えを重視すること:
常識的判断から自由になりやすく、
心の奥底の本音に触れやすい - カウンセリングでは、
日常では話しにくいプライベートな部分を
考え、整理し、自分自身の時間を持つことができる - 友人や家族に話す場合とは異なり、
積み残したことを
じっくり考える機会が得られる。
困ったときに家族や友人に話して、
理解されてほっとしたり、
問題が解決したりすることはよくあります。
話すことで
「気持ちの発散」
「問題の整理」
「違う視点を得る」
といった効果があるためです。
この点はカウンセリングとも共通しています。
しかし、カウンセリングには次のような違いがあります。
① 第三者に話すということ
カウンセラーは、
利害関係のない中立的な立場から
お話を伺います。
そのため、
「公平に聞いてもらえる」
「安心して話せる」
という感覚を持ちやすくなります。
また、
「こんな話をしたら相手に負担をかけるのでは」
「デリケートな話なので気軽には話せない」
というような内容も、
安心して話せるのが
第三者に話すことの大きなメリットです。
② 専門的な知識と経験
心の問題は、
「これで合っているのか」
「どうしたらよいのか」
が分かりにくいことがあります。
カウンセラーは専門的な知識と経験に基づき、
より適切な理解や支援を行います。
一人で抱えるよりも、
専門家の視点を加えることで
新たな方向が見えてくることがあります。
③ その人自身の気持ちや考えを重視する
カウンセリングでは、
「常識的な正しさ」よりも、
「その人自身の感じ方や考え方」
を大切にします。
そのため、
日常生活ではなかなか話せない
「心の奥の本音」に
触れることができる場になります。
カウンセラーは、
そのような本音を安心して語れるようにサポートし、
来室された方が
ご自身の気持ちを整理したり、
新しい気づきを得たりする手助けをします。
また、カウンセリングという時間を持つことで、
「これまで向き合えなかったことをじっくり考える」
「自分だけの時間を持つ」
といった効果もあります。
こうした点が、家族や友人に話すこととは少し違うところです。
この記事を書いた人
福嶋裕子 臨床心理士・公認心理師(高円寺心理相談室アオイトリ)
