発達障害とは(2)

記事の要点

  • ASDは
    「社会的コミュニケーションのむずかしさ」と
    「こだわりの強さ・感覚の偏り」を特徴とする
  • 対人関係で
    「相手の気持ちが読みづらい」
    「空気が読めない」と見られやすいが、
    本人に悪意はなく、理解の仕方が少し違うだけ
  • 「予定が変わるのが苦痛」
    「曖昧な指示がわかりづらい」など、
    日常生活での困難が起こりやすい。
  • 音・光・匂いなどの感覚に
    敏感(または鈍感)なことがあり、
    疲れやすさやストレスの背景になることもある。
  • 特徴の出方は人それぞれで、
    「人が苦手なタイプ」もいれば
    「人とのつながりを強く求めるタイプ」もいる。

― 自閉スペクトラム症(ASD)について ―

発達障害にはいくつかのタイプがありますが、
代表的なものとしては次の2つがあげられます。

  • 自閉スペクトラム症(ASD)
  • 注意欠如・多動症(ADHD)

ここではまず、「自閉スペクトラム症」について説明します。


自閉スペクトラム症(ASD)とは

大きく分けて次の2つの特徴がみられます。

(A)社会的コミュニケーションおよび対人関係のむずかしさ
(B)こだわりの強さ・感覚の偏り


(A)社会的コミュニケーションおよび対人関係のむずかしさ

たとえば次のような傾向がみられます。

  • 相手の表情や声のトーン、
    しぐさから気持ちを読み取るのが苦手
  • 相手が冗談を言っているのか、
    本気なのかがわからず戸惑う
  • 「空気が読めない」と言われることが多い
  • 集団で行動する意味がわからず、
    単独行動を選びがち
  • 「適当にやっておいて」「その辺片づけて」
    といった曖昧な指示がわかりにくい
  • 自分から友人をつくるのが苦手、
    または人づきあいを煩わしく感じる

こうした傾向は人によって
あらわれ方が異なり、
コミュニケーションの苦手さが
強く出る方もいれば、
むしろ人とのつながりを強く求める方もいます。
ASDは「人との関わりが嫌い」というより、
「関わり方がうまくいかず疲れてしまう」
という側面が強い場合も多いです。


(B)こだわりの強さ・感覚の偏り

「自分のやり方」や「決まった順番」に
強いこだわりをもつことがあります。
たとえば次のような傾向です。

  • 決まった順番で行動することに安心感をもつ
  • 予定が変わると強いストレスを感じる
  • 好きなことには何時間でも没頭できるが、
    興味のないことはまったく手につかない
  • 融通が利かず、臨機応変な対応が苦手
  • 周囲の音や光、においに敏感で、人ごみがつらい
  • 太陽や蛍光灯の光がまぶしく感じられる
  • 特定の食べ物や食感を避ける(偏食)

中には、会話中に
周囲の音が全部入ってきてしまい、
相手の声に集中できないという方もいます。
また、
他の人には気にならない程度のにおいや肌ざわりに
強い反応を示すこともあります。


ASDの多様さ

これらの特徴は「ある・ない」ではなく
「どのくらい・どの場面で出るか」
という程度の違いとしてあらわれます。
社会的な困難を感じながらも、
独自の視点や集中力を生かして
力を発揮している方も多くいます。
(つづく)

この記事を書いた人

福嶋裕子 臨床心理士・公認心理師(高円寺心理相談室アオイトリ)